推し過ぎた悲劇のラスボスと、同化しちゃった!

20 罪

 好きな人から好きだと言ってもらえたら、もう他のことなんて何も考えられなくなる。という現象を、私は前世プラス十七年の人生の中で、初めて知った。

 世界はピンク色に満ちている。少なくとも、私の目に映る風景は。

 ディミトリは、私に向けて好意を隠すこともしない。

 何でかというと、彼は人付き合いをあまりしていなかったから、唯一話しかけていた私こそが人間関係の全ての先生なのだ。

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