推し過ぎた悲劇のラスボスと、同化しちゃった!

24 推し

 ディミトリって周囲から遠巻きにされていてあまり話さないから、良くわからない孤高の人物みたいに思われているのに……私のせいてピュアで世間知らずな騙されやすい性格なのが、皆にバレてしまった……。

「ごめん……でも、すごく心配で……私の下手な嘘にも、すぐ騙されるから」

「あの……ごめん。それは俺もすぐに解けば良かった誤解なんだけど、シンシアが何度か嘘をついて何かを誤魔化したかったのはわかったから、俺も話を合わせようと思っただけだよ」

「そうだったの!?」

 私のことをすごく純粋に信じていた、めちゃくちゃ自然な演技だったよ!?

「うん。シンシアが何かを隠しているのは、知ってた。俺のことをおかしいくらい好きなのは、きっと何か……俺には理解できない訳があることはわかってた」

「ディミトリ……ごめんなさい。私、貴方のこと、救いたくて……きっと、信じてもらえないと思うけど」

 なんて言えば良い? 前世で好きだった作品の中で、貴方はとても可哀想だったからって? 説明の仕方が全然わからない。

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