推し過ぎた悲劇のラスボスと、同化しちゃった!
 まだ何も出来ない子どもだった彼は、通りがかりの聖職者に公開処刑されてしまうところをギリギリで助けて貰って、育ての親から人を愛する心を学ぶのだ。

 そして、ディミトリは育ての親の聖職者のようにいつか自分も世の中の役に立てる人間になりたいと学術都市ドミニオリアへと入学し、聖女ヒロインアドラシアンに出会って彼女に恋に落ちる。

 生まれた時から宣告を受け、大神殿で大事に育てられた聖女アドラシアンはヒロインっぽいヒロインだ。容姿も可愛くて性格も良くて、特殊な聖魔力だって持っている。

 そんなアドラシアンは、周囲から遠巻きにされているディミトリにだって平等に優しく接した。

 だって、正しく美しい聖女ヒロインだもの。

 ディミトリは自分にも常に優しい態度を見せる彼女に恋心を募らせるが、アドラシアンはヒーローエルヴィンと出会い、すぐに彼と想いを通い合わせることになる。

 アドラシアンの想いを知り諦めようとしたディミトリなんだけど、何度も不幸な偶然に見舞われて絶望し、学術都市の象徴であり世界の生命の源とも言える世界樹を汚し、平和を脅かす悪役へと闇堕ちすることとなる。

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