推し過ぎた悲劇のラスボスと、同化しちゃった!
 主人公二人は序盤でダークエルフの力が暴走してしまったディミトリを倒し、そして、新たな舞台へと物語は進んでいく。

 けど、実はディミトリの出番は、これで終わらない。

 この時ディミトリは、とある研究者に秘密裏に保護されていた。世界樹の力を思うがままに使いたいという邪悪な研究をしている「彼」に利用され、より凶悪なラスボスへと、ディミトリは変貌を遂げるのだ。

 アドラシアンとエルヴィンが長い長い救世の旅をした末に辿り着くのは、初期に二人が倒したはずのディミトリでラスボスだったというオチ。

 けど、私は初めてこの小説を読んだ時から、強く思ってた。

 ディミトリ、何も悪くなくない?

 聖女アドラシアンは厳しい同性目線で見て、言わせてもらうと、恋仲のエルヴィンが既に居ると言うのに、やたらと八方美人で愛想が良いという、いわゆる思わせ振りな罪な女だった。

 これからも長い長いストーリーが進んでいく過程で、彼女目当ての男性キャラが増え、何回も恋愛トラブルや厄介ごとを引き起こす。

 モテモテで容姿の良いヒロインは、私だってなりたいと思う。

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