推し過ぎた悲劇のラスボスと、同化しちゃった!

04 顔面至上主義

「はああ……推しの訓練姿、ほんと最高……」

 そんな訳で授業が終わった放課後葉っぱが多い木の影から、せっせと訓練に励むディミトリの姿を見ていた。

 ベストな視界を確保出来る特等席を確保するために、私はいろんな角度からどう見えるかを試し研究し、この場所へと辿り着いていた。

 ディミトリはランニングを終えた後は、重い長剣を持って素振りを開始する。

 毎日何回やってるかわからないけど、夕暮れに輝く汗が美しいので、長時間続けて貰ってもこちらは全然大丈夫です。

 この世界では長剣の他に斧だったり槍だったり、色んな武器があるんだけど、ディミトリは長剣派のようだ。

 彼は戦闘術なんかを学ぶ授業も取っているようだから、もしかしたら軍属になって将校なんかになることを目指しているのかもしれない。

 はああ……ディミトリはラスボスになるから、魔王みたいな服装に最終的には辿り着くんだけど、順調に軍へと進んで軍服を着るのも良いかもしれない。

 とてつもなく、似合い過ぎる予感しかしない。

 ディミトリは訓練途中に喉が渇いて水でも飲みに行くのか、一旦休憩することにしたようだった。

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