推し過ぎた悲劇のラスボスと、同化しちゃった!
「ディミトリ、私……すごく貴方のことが好きなんで、不幸にならないでください! 私のために、日々幸せでいてください!」

 私の心からの願いを聞いて、ディミトリは呆気に取られた表情になったと思ったら、初めての笑顔を見せてくれた。

「は? 何をいきなり、言い出すと思ったら……明け透け過ぎないか。うん。不幸になる予定はないが、シンシアがそう言うなら努力しよう」

「お願いします! 多分、私が死んでも死に切れないんで!」

「おいおい。その若さで、そんなこと言うな。何を言い出すんだか……」

 ディミトリは呆れたようにして言って、大真面目な私の真剣な想いにはいはいと流すようにして頷いていた。

 もうっ。本当に切実に、そう思っているんだってば! 私が死んで不幸になるなら、化けて出て来るからね!


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