推し過ぎた悲劇のラスボスと、同化しちゃった!

10 舞い上がる

「はーっ……尊い尊い。推しが何気なく下校している姿見れるとか、天国でしかないわ。あ。ヒュー。体操服は洗濯して返すから、今日私が持って帰るねー」

「良いよ。明日も使う実技あるから、僕が持って帰って洗っとく。シンシアが忘れられたら、僕も困るし」

 真面目っぽい雰囲気をかもしだしているのに、たまにうっかりする私の性格と知っているヒューは、そう言って私に貸してくれていた体操着の入った袋を手に取った。

「あ。そう? ごめんね。ありがとうー! お礼になにか、奢るから! 今度、何か食べに行こう」

「別に気にしなくて良いよ」

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