推し過ぎた悲劇のラスボスと、同化しちゃった!
「……そうなんだ、まあ、僕はそういう無償の愛について理解は出来ないけど、止めないよ。人は自分の思想について、常に自由であるべきだ。でなければ、自分ではない誰かの奴隷としての生を終える事になると思う」

「もう。ヒューって……いっつも、そんな小難しい事考えてるの? 頭疲れない?」

 頭の良いヒューはついつい色々考え過ぎて、こういう話をしてしまうから自分は周囲から嫌われるって言ってた。

 前世を生きていた私は多様性についてはこの世界の人よりおおらかだし、だからこそ彼と話が合うのかもしれない。

「別に……疲れないよ。自分では当たり前のことだし。それより、シンシア。リズウィンに何を買うのか、まだ思いつかないの?」

「うーん……どうしよっかなー? あ。そういえば、ディミトリが良く職員室に通ってるって、さっき言ってたでしょ? ヒューも、職員室に質問に行ってるの?」

 私なんて職員室は呼び出されて怒られる時と日直の時しか近づかないのに、皆偉すぎる。どっちが若い学生としてのスタンダードなのかわからないけど、偉すぎる。

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