推し過ぎた悲劇のラスボスと、同化しちゃった!
「いや? エドケリ先生とか……サマンサ先生とか。今年入ったばかりの新人の先生に、たまに質問されることがあるんだ。担当の、授業の感想とか」

「へーっ!! すごいすごい。先生からそんな立場に任命されてるなんて、ヒューって、本当に頭が良いんだね。すごい」

「……うーん。学問を人より早く理解出来ることを頭が良いとシンシアが思うなら、僕はそうなのかもしれない。けど、僕はシンシアみたいになりたかったよ。明るくて、友達も多いし、悩みだって引き摺らない。同い年に馴染めない僕や生まれた種族で迫害されているリズウィンにも、臆することなく声を掛ける。シンシアは自分の凄さを、わかっていないと思う」

「えへへ。そんなに褒められると、照れちゃう。ヒューにも、何か買ってあげようか? あ。この前に、体操服も借りてたお礼もあるし!」

「良いよ。そんなの」

「もう。何々。遠慮しないでよー!」

「別にしてないって……そう言えば、この前にシンシアはエドケリ先生のことを気にしていたよね?」

「え? う、うん」

 そうだ。ディミトリを次に襲う悲劇には、エドケリ先生が深く関わっている。

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