推し過ぎた悲劇のラスボスと、同化しちゃった!
「どうしたの……? 何かあった? あ。もしかして、僕のことが好きなの?」
まさかねとエルヴィンにおどけた様子で聞かれて、この先のストーリー展開を思い出していた私は慌てた。
「えっ……いや! えっとですね。シュレジエン先輩は、女子にとって憧れの存在といいますか……」
「そうなの? その割には、全然モテないんだけど……おかしいね?」
それは、学校中の女子同士が全員で牽制し合ってて、エルヴィン本人が好きな女の子が現れるまで不可侵条約が結ばれているからですぅ……という女子間の詳しい理由を、本人に言ってしまう訳にもいかない。
入学したばかりのエルヴィンが小等部の頃あまりにモテすぎてしまって、数人の女子に押しつぶられかけたという事件があった。
このままでは、彼を失うという重大事故につながりかねない。熾烈な競争に危機感を感じた女子同士が、全員でそうすることに決めたのだ。
エルヴィンという、得難いアイドルは愛でるための存在。だから、彼の望み通りの学生生活を歩んでもらおうと。
「シュレジエン先輩に、お花もらえて嬉しいです! すごく、大事にします!」
まさかねとエルヴィンにおどけた様子で聞かれて、この先のストーリー展開を思い出していた私は慌てた。
「えっ……いや! えっとですね。シュレジエン先輩は、女子にとって憧れの存在といいますか……」
「そうなの? その割には、全然モテないんだけど……おかしいね?」
それは、学校中の女子同士が全員で牽制し合ってて、エルヴィン本人が好きな女の子が現れるまで不可侵条約が結ばれているからですぅ……という女子間の詳しい理由を、本人に言ってしまう訳にもいかない。
入学したばかりのエルヴィンが小等部の頃あまりにモテすぎてしまって、数人の女子に押しつぶられかけたという事件があった。
このままでは、彼を失うという重大事故につながりかねない。熾烈な競争に危機感を感じた女子同士が、全員でそうすることに決めたのだ。
エルヴィンという、得難いアイドルは愛でるための存在。だから、彼の望み通りの学生生活を歩んでもらおうと。
「シュレジエン先輩に、お花もらえて嬉しいです! すごく、大事にします!」