推し過ぎた悲劇のラスボスと、同化しちゃった!
「いや、俺は試合前に挨拶する程度だけど、性格も明るくて良いやつだと前から思ってた……女子は、好きそうだと思っていた。シンシアは、多分変わってるんだな……」

 そうしみじみ言ったので、私は納得出来なかった。

「確かに私は少数派かもしれませんが、熱量なら誰にも負けません!」

「ははは。変わってることには、自覚があったのか」

 それは恋愛小説のヒーローのエルヴィンに、数多くのファンが付くのは当たり前だと思う。そういう風に書かれるんだし……けど、ディミトリの方が、私は好きなんだけどな……。

 ディミトリは珍しく一緒に下校しようと言ってくれて、私たちは初めて一緒に学生寮まで帰った。

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