推し過ぎた悲劇のラスボスと、同化しちゃった!

19 誤解

 アドラシアンに牽制されたとは言っても、ディミトリの闇落ちの元凶である彼女が同担拒否しても、私の彼本人に話したいと言う気持ちは変わりはなかった。

 だって、小説からコミカライズ、そしてアニメ化。全てを見届けた上に、私はディミトリの居る異世界に転生してしまったくらいに私は彼が好き。

 たとえディミトリに嫌われても、私が好きなことには変わりはない。

 アドラシアンと幸せになりたいというのなら、彼から離れるべきだけど……一度は話して謝りたいと言う気持ちは、変わらない。

 どうしても会いたいと思う一番の原因はというと、私はアドラシアンに実際会って思うのは、彼女のことを可愛いし綺麗だと思う。けど、彼女のことがやっぱり嫌いだった。

 まだ、彼女がディミトリのことを、不幸にしていなくても。

 それはなんでかなと思って自分に問いかけうんうん悩んでやっと答えが出たんだけど、私は何の人徳もない一般市民で悟りも開いていない。なので、好きな人の好きな人を、好きになんてなれない。

 そして、自分が今まで目を逸らしていたことに、気がついてしまった。

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