あの夏の君は何処へ?
数分後...

(翔くん来ないな...何かあったのかな…)

(迷子になったら嫌だけど...少しだけ見てくるだけなら大丈夫だよね...)

そう思い勢いよく立ち上がったと同時に強めの風が吹いてきて、かぶっていた帽子が飛ばされて木に引っかかってしまった。

(えっ!?帽子が!!取らないと、!)


ぴょんっ...


(うぅ...私の身長じゃどうやっても届かないよ...)


「ど、どうしよう…… ぐすん...」

木の下で座り込んで泣いていると、私の頭に見覚えのある帽子が被さった。

「はいこれ君の。」

「えっ...」

咄嗟に振り向くとそこには知らない男の子が立っていた。

「えっ...えと誰...?」

「…僕の名前は、そら。君は?」

「わ、私は遥っていうの……えっと...あ、あの!帽子....」





「遥ー!」

声のする方を向くとかき氷を持って翔くんが走ってきていた。

「あっ翔くん!」

「ごめん...待たせちゃって...行く途中で人混みに飲まれちゃって時間かかっちゃった..」

「ううん、全然大丈夫だよ、!」

「さっき私の帽子が飛ばされちゃったんだけど、そこにいる男の子が……」

(あれ...?いなくなってる…帰っちゃったのかな...?)

「そうなの?まぁとりあえずかき氷溶けちゃうから早く食べよっか」

「う、うん!」


そうして私たちはかき氷を食べ、海で思う存分遊んだ。



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