育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
1番気掛かりだったこと。それは、入院期間だった。

今まで私の傍から離れたことがなかった妃織。慣れない病院での長期入院となると、きっとストレスを溜めてしまうに違いない。


「子どもですからね、長期の入院は不要です。術後、ある程度歩行が可能となれば、退院していただいて構いませんよ」

「……そうですか。わかりました。妃織のこと、お願いします」


山内先生に向かって、深々とお辞儀をする。

どうか、どうか。妃織のことを助けてやってください。
そんな思いから、ぎゅっと握りしめた拳に、自然と力が入ってしまう。


「お母さん、大丈夫です。ちゃんと歩けるように、私たちが頑張りますからね」


優しくそう言ってくれた山内先生は、近くにいた看護師に「オルソグラス固定するよ」と指示を出している。

手術を行うまでの期間は、骨折が転位しないよう固定をしておかなければいけないらしい。指示を受けた看護師はバタバタと準備を始め、妃織は診察室のすぐ横にある処置室へと連れて行かれてしまった。

なにもかもが初めてで、ただ不安な気持ちだけが膨らんでいく。


「お母さん、そんなに不安にならないで。それより……お母さんも膝のケガの処置をしましょう」

「え?」
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