育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
外来を終えてから手術をして、きっとゆっくり食事をする時間もなかったのだろう。


「おかわり、入れましょうか?」

「あぁ、お願いする。ありがとう」


晃洋さんからご飯の器を受け取って、キッチンへと向かう。炊飯器を開けるともわぁと湯気が立ち上り、ご飯の匂いがキッチンに漂った。

ご飯をよそっていると「あ、そういえば」と、背後で晃洋さんの声が聞こえた。
器を持ってリビングへと戻り、晃洋さんの前にご飯を置く。


「どうしました?」

「いや、実はさ。この前の学会で、俺の論文が高評価されて」

「えっ、本当ですか!?」


思わぬ報告に、胸が躍る。

晃洋さんの言う論文とは、以前私の職場で書いていた論文のことだ。仕事の合間を縫って家でパソコンに向かって作業をしていることもあって、すごく頑張っていたのを傍で見てきた。

私には到底わかるような内容のものではなかったけれど、分厚い参考書や資料をたくさん広げて、夜遅くまで論文を書いていた。

10月終わりくらいに学会発表を無事に終えたと言っていたが、それが高評価されたというのは私も嬉しい。


「それでさ、その高評価してくれた人が、アメリカの有名な大学病院のドクターで」

「アメリカ?」
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