育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました

強敵、現る

時が経つのは早いもので、あっという間に12月に入った。
より寒さが増し、今にも雪が降りだしそうな空模様の日が続いていた。

梨花は商品開発部へ異動となり、さっそく実力を発揮しているみたい。
来月販売予定の『今月のケーキ』は、梨花考案らしい。どんな商品かまではまだ教えてもらうことができなくて、今非常にもどかしいのだ。

そして寒さが増す一方、晃洋さんから私と妃織への愛情はさらに増え、時間を見つけては私を抱いてくれる。
でも、それは晃洋さんがアメリカへ発つ日が近付いていることを意味しているようで胸が締め付けられるけれど、やっぱり晃洋さんと過ごす時間を大切にしたい。

それは晃洋さんも同じなようで、前よりも家に帰って来ることが増えたように感じていた。


「妃織、準備できた?」

「うん、できたよー。ばっちり!」


親指をグッと立ててOKサインを出す仕草は、保育園で覚えてきたらしい。
そんな妃織の真似をして私も親指を立てると、妃織と手を繋いでマンションを出た。

今日は、妃織の定期受診の日。
レントゲンを撮って手術した部分に異常がないかを確認してもらいに行く。

出発前に晃洋さんにメッセージを入れたけれど返信はなかったから、きっともう外来に出てしまっているのかもしれない。
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