育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
こんなことが起こると、アメリカへ行くのが惜しくなってくる。
でも、それを言うと美優が許してくれなさそうだけど。


「妃織、よかったね」

「うん! うれしい! パパもママもだいすき」


ぎゅっと、俺に抱きついている手の力を強める妃織ちゃん。

やっぱり、俺は間違っていなかった。
あの日、妃織ちゃんを助けたことも、美優を好きになったことも。

宇田先生なんかよりもよっぽど純粋なこの2人とこれから先も一緒に生活できるなんて、これ以上の幸せなんてない。
この2人と一緒にいると『俺の選択は間違っていなかった』と、そう思える。


「私も、嬉しいな」


そう呟いた美優の瞳からは、こらえきれずに涙がこぼれていた。本当はそばに行って涙を拭ってやりたいところだが、それをすると俺が止められなくなるから、今は我慢だな。

さすがに妃織ちゃんの目の前でイチャつくのは、まずいだろう。


「またおでかけしようね」

「あぁ、行きたいところに連れて行くよ。ママと妃織ちゃんとなら、どこへ行っても楽しいからね」

「じゃあ、イルカさんみる!!」


「え、まさかまた水族館!?」と驚く美優。一瞬にして、リビングが温かい笑いに包まれる。

少し前までは、こんな風に誰かと笑い合えるなんて思っていもいなかった。だからこそ、今毎日がとても愛おしく思える。
これからもこの2人を守り抜くと、改めて誓った。
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