育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
「ごめんごめん。もう大丈夫だよ。イルカさん見ようね」

「イルカさん、ジャンプするんだよ。ぴょーんって」


ジェスチャー付きで、イルカの説明をしてくれている妃織を笑顔で見つめる。

しばらくするとショーが開幕し、華麗なイルカショーが繰り広げられた。
さっきまで騒いでいた妃織は、ショーが始まると3頭のイルカに夢中で、私と晃洋さんが話しかけても聞く耳を持たないくらい。

イルカがパフォーマンスを見せる度に観客席からは拍手が上がり、妃織もそれに混ざって小さな手をパチパチと合わせていた。


「イルカさんすごかった!! かわいい!!」

「本当、すごかったねー」

「まるいわっか、じょうずだったよ!」


ショーが終わって観覧席を出ても妃織の興奮は冷めない様子で、先ほどのショーについて熱弁してくれている。

釣り下げてある輪っかの中をイルカが通り抜けるパフォーマンスが、お気に召したよう。
これで、3回くらい同じことを聞いている。

それでも空腹には負けてしまうようで、お腹を押さえながら「おなかへった」ということだけはしっかりと伝えてきてくれた。


「よーし。じゃあ、ご飯にしようか」

「うん! ひお、まえとおなじのにする!!」


お腹が空いたと言っているのにも関わらず元気いっぱいの妃織に驚かされつつも、前回訪れたカフェに入り、あの巨大水槽が眺められる席へと座った。
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