育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました

メニュー表を開くなり、妃織は「これ！」と言ってイルカオムライスを指差している。
まさか、本当に同じやつを選ぶとは。


「美優は？　決まった？」

「えーっと……じゃあ、私はこれで」


恐る恐る指差した先にあるメニューは『アザラシのピラフセット』。
アザラシの可愛らしい顔がピラフで表現されていて、付け合わせにはエビフライ2尾とフライドポテト。セットメニューにはサラダとスープが付いてくるらしい。

本当は、前も気になっていたこのセットメニュー。
でも、晃洋さんと初めてのデートで子どもっぽいと思われるのが嫌で、違うメニューをオーダーしていた。

前回オーダーした『カクレクマノミのパンケーキ』もたいがい子どもっぽいけれど、今回はもうどう思われたって気にしない。


「相変わらず、可愛いやつチョイスするんだな」

「えっ？」

「前も、可愛いパンケーキをオーダーしてたじゃないか」

「……覚えていたんですね」


さすがドクター。記憶力がいいだけあって、私が以前食べていた物を覚えているようだ。

でも、その『可愛い』と言うのは……。若干『子どもっぽいな』という言葉が見え隠れしているような気がする。
結局どちらにしても、子どもっぽいのだ。