育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました

エピローグ

「うわぁ……ママ、世界一かわいい」


ピンク色の桜の花びらが舞う季節。
純白のウェディングドレスに身を包んだ私は、鏡に向かって最後のヘアメイクのチェックをしていた。

横では先月5歳になった妃織が自分で選んだ淡いピンクのドレスを着て、私のことをまじまじと見つめて「かわいい」と言ってくれている。


それは、日本がまだ寒い2月のこと。
晃洋さんがアメリカから帰国して間もなく、私たちは入籍した。

本当は3月の帰国予定が、アメリカでの予定が変更になり2月末に帰国。それからすぐに入籍して、晴れて『山内美優』となった。

結婚式場の手配もバタバタしていたけれど、なんとか今日、小さい頃に夢見た花嫁姿でここにいる。
それも、愛する妃織も一緒だ。


「妃織も世界一かわいいよ」

「でも、今日はママが主役じゃん」

「あはは……まぁ、そうなのかな」

「そうでしょ。なに言ってるの」


晃洋さんがアメリカへ発った頃はまだ2歳だった妃織も口が達者になったのか、いろいろな言葉を覚えては話すようになった。

私とは同性ということもありよくケンカもするようになったけれど、それも成長の一環。機嫌がいいときは一緒にショッピングに出かけたりもできるし、妃織との生活を楽しんでいる。
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