育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
「おはよう妃織ちゃん。朝ごはんは食べたかな?」

「うん!! ぜんぶたべたよ。めだまやき、おいちかった!!」


どうやら、朝食に出された目玉焼きが気に入ったみたい。
それを聞いて「そうかそうか」と優しい笑顔で妃織の頭を撫でてくれている山内先生。このやり取りが最近は微笑ましくて、妃織にとっても大切な時間のようだった。

先日山内先生に渡された電話番号とメッセージIDのメモは、大切に財布にしまってある。今はまだ病院内にいるし、退院してからなにか困ったことがあれば……と思い、まだ登録はしていないのだけれど。


「妃織ちゃん? 今日は、お昼ご飯を食べたらこの白くて堅いやつ外してみようか」

「え! これ?」


妃織は、自分の左足を指差す。
山内先生の言う『白くて堅いやつ』というのは、妃織の左下肢を固定しているギプスのこと。

固定する日に、妃織に「これはギプスだよ」と言ってもポカンとしていたため、それ以降妃織に説明する際は『白くて堅いやつ』と言うようになった。


「さっきレントゲンを確認したら、だいぶ安定してきていたので午後からギプスカットをしますね」

「よ、よかったぁ……。それを聞いて安心しました」

「きちんと安静度を守っていてくれたおかげです。ギプス除去後は、リハビリも少しやってみましょうか」
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