育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
これは……なに? 山内先生は、どうしてそんなことを言ってくれるのだろう。
ほかの患者さんには、こんなこと言ってないよね……?


「美優さん。気が付かない?」

「え? どういうことですか?」

「俺は、すべての患者さんにこんなことを言っているわけじゃない。2人だから……美優と、妃織ちゃんだから言っているんだよ」


突然『美優』と呼び捨てで呼ばれて、心臓がさらにバクバクと大きく波打ち始めた。
真っ直ぐに私のことを見つめている山内先生に、なぜか引き込まれてしまう。


「美優が、好きだ」


誰もいない、静かな処置室に聞こえるのは、私の心臓のドキドキという音だけ。

ーー好き? 山内先生が、私を好き?


「無理して『大丈夫』だなんて言わないで欲しい。今まで、きっと1人で我慢してきたこともたくさんあったと思う。でも、これからはもっと頼って欲しいんだ」


真っ直ぐ見つめる山内先生の瞳は、とても嘘をついているなんて思えない。たけど、突然の告白に私も思考回路が停止してしまって、なにをどこから話せばいいのかわからない。


「山内先生……私……」


山内先生の気持ちは嬉しい。でも、妃織は山内先生との間にできた子ではない。
いくら入院中に妃織が山内先生に懐いたからといっても、これから一緒に子育てをしていくとなればまた話は別だ。
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