育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
退院してからも週1回リハビリには通院しなければならないし、きっと頼ることもあるだろうと思ったから。

「よかった。安心した」と笑顔を見せてくれた山内先生。ちょうどそのとき、リハビリテーション室から走って来る妃織の姿が見え、私は椅子から立ち上がった。


「ママ! いたいのなおった?」

「え? う、うん。山内先生が手当してくれたからもう大丈夫よ」


自分のことよりも私のことを心配してくれている妃織は、本当心の優しい子に育ってくれたと感じている。
私だけの愛情で優しい子に育ってくれるかと心配ばかりだったけれど、私の心配もよそに、妃織はちゃんと成長してくれていたのだ。


「お母さん、妃織ちゃんの回復力はすごいですね。もうだいぶしっかり歩けていますよ」

「本当ですか。ありがとうございます」


妃織のあとを追いかけてリハビリテーション室から顔を出した男性ーー岩田先生も私と妃織のところへやって来て、話しかけてくれた。

この入院期間、妃織のリハビリを担当してくれていた岩田先生は、妃織のリハビリの状況を毎回伝えてくれる。外来患者・入院患者ともに人気があるという岩田先生は、素人の私たちにもわかりやすく説明してくれるからありがたい。

やはり人気の先生と言われるのには、理由があるようだ。
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