育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
今日1日一緒にいた母親も気が付かなかったようで、特に体調の変化もなさそうだ。

少し様子を見て、治らないようなら病院に連れて行ってもいいかもしれない。
そう思って、特になに軟膏などは塗らずに妃織を寝かしつけた。

妃織の背中をトントンと優しく叩くと、あっという間に夢の中へと入っていく。きっと、公園で遊んで疲れたんだろうな。
育児って大変だけれど、こうして妃織の可愛い寝顔を見ていると癒されるし、妃織のためなら頑張って働こうと思える。

そんなことを考えていると、私もいつの間にか眠ってしまっていた。



「……マ、ママー! あしが、いたいよー!!」

「……ん、妃織? どうしたの?」


真夜中。妃織が私の身体を揺さぶり、なにかを訴えてきている。

明かりを点けて妃織を抱きかかえると、身体が熱い。慌てて飛び起きて妃織の右大腿部を確認してみると、お風呂上りに見た時よりも赤みが増していた。

……嘘。なんで?
簡易体温計をおでこに当てると、表示された数字は38.6度……。


「え……熱がある」


これってもしかして、右大腿部の腫れと関係している熱? それともただの風邪?
なにが原因なのかはわからないけれど、さすがにこれは病院を受診した方がよさそうだ。

あたふたしているうちにも妃織は泣き叫んでいて、戸惑ってしまう。
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