育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
「じゃあ、ゴミ捨ててくるから、ここでおりこうさんで待っててね」

「はい! ひお、まつ!!」


ビュッと勢いよく右手を挙げて、返事をする妃織。
そんな妃織の頭をなでなでしてから、テーブルのすぐそばに設置してあるゴミ箱にゴミを捨てるために席を立った私。


ここで、妃織のことを100%信用していたのがいけなかった。

でも、あんなに元気よく返事をしていたんだもの。


ゴミを捨ててテーブルに戻ると、妃織の姿がない……。
慌てて店内を見渡すと、出入り口に向かって走って行く妃織の姿が目に入った。

やばい……!! 店を出てすぐは、車道だ。
「妃織、待って!!」と大声で叫びながら、残ったアイスもそっちのけで妃織を追いかけても止まってはくれない。

ふと横を見ると……車だ。
まだ妃織の姿を捉えていないのか、車はスピードを落とす様子はない。


「妃織! 危ない!!」


キキーッ! と言うブレーキ音と同時に、私は咄嗟に妃織に覆いかぶさった。

少し先で車が停車し、中から運転手が降りて来てくれ急いで私たちのところへ駆け寄って来る。


「大丈夫ですか!?」


さっきアイスクリームを食べていたコンビニからも店員さんが駆けつけて、何事かと様子を伺いに来てくれる。ゆっくりと身体を起き上がらせ、妃織を見ると「いたいよぉ……ママー」と、泣きながら弱々しく言っているのが聞こえた。
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