育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
「転んだ、とか。水遊びした、とかは?」


首を捻りながら考えていると、山内先生が口を開いた。
それを聞いて思い浮かんだことがあり、「あっ」と大きな声を出してしまった。

病院内だということを思い出し、慌てて口元を抑える。


「そういえば『今日、砂場で転んだの』って……」


思い出した。お風呂に入っているときに、そんなことを言っていたような気がする。
『ばぁばと砂のお城を作っていたときに、スコップを取ろうとしたときに転んだの』って、話していたのを思い出した。

膝をついたと言うから見てみたけれど特に目立った傷もなくて、それ以降なにも気にしていなかった。
それと、なにか関係があるのかな?


「それだ。多分、ばい菌が入ったのかも。発熱も、そのせいだ」

「え……そうなんだ」

「子どもの身体は小さいから、すぐに症状が出てしまう。これから1週間くらい抗生剤の点滴を打てば、症状は改善していくと思うよ」


山内先生は、妃織の病状について詳しく説明してくれた。
その間に採血結果が出揃い「うん、やっぱりな」と呟いた山内先生は、たくさんある採血項目の中から『CRP』という項目に赤マルを付けてから私に差し出す。

それを見ても正常値がどのくらいなのかはわからなかったけれど、数字の横に『H』と記載されていて、数値が高いのだということがわかった。
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