育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
そんな風に説明してもらって徐々に落ち着きを取り戻した私は、やっとまともに呼吸ができたような気がした。


「1週間くらい入院できそう?」

「また入院……」

「どうしても通院しかできないならそれでも構わない。でも、入院の方が安心だと思う」


それはそうだろう。入院だと、なにかあってもすぐに看護師さんに相談すれば的確な判断をしてくれるし、私としても心強い。

でも、入院となると私の付き添いが必要。
この前やっと職場復帰したところなのに、またお休みをもらわないといけなくなってしまう。

妃織のために入院して抗生剤の点滴を投与してもらうべきなんだろうけれど……。


「ごめんなさい。今回は入院できません。その代わり、毎日通院します」


私が下した決断に、山内先生は大きく目を見開いた。でも、決して間違った選択をしたとは思わない。
妃織には悪いけれど、私だって仕事を続けたいもの。


「わかった。それなら、美優の仕事が終わったタイミングで妃織ちゃんを連れて来るって約束して。その時間は俺が対応するから」

「わかりました。お約束します」


私の返事を聞いた先生は笑顔を向けてくれ、ベッドで抗生剤点滴を投与されている妃織の頭を優しく撫でた。それに気が付いた妃織は、山内先生の顔をまじまじと見つめている。
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