育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
他愛もない会話を交わしつつ、さすがにまだ『パパ』とは呼んでくれないか……なんて少し肩をがっくりさせながらも、3人で巨大水槽をぐるりと回った。

その後は、妃織ちゃんお待ちかねのイルカショーを観覧。
2頭のイルカが華麗なジャンプを見せる度に妃織ちゃんは大喜びで、ショーが終わる頃には軽く疲れてしまっていた。

そんな疲れるまで喜んでくれるなんて、俺にとっては嬉しいことこの上ない。


「少し休もう。美優も、お腹空かない?」

「あ、はい。そう言われてみれば」


時刻はちょうどお昼を少し過ぎたところ。妃織ちゃんの休憩がてらランチを提案した俺に賛同してくれた美優。3人で一緒に、水族館内にあるカフェへと入った。

座ってからメニューを開くと、妃織ちゃんは真っ先に「これがいい!!」とメニューを指差す。
そこには『イルカオムライス』と書かれていて、イルカを(かたど)ったオムライスの写真が載せられていた。


「妃織ちゃんは、本当にイルカが好きだな。美優は?」

「私は……パンケーキにします」


美優はメニュー表の『カクレクマノミのパンケーキ』を指差している。
母親とはいえ、やっぱり女子だな。可愛い。

そんなことを思いつつ俺はカルボナーラを注文し、食事が運ばれて来るまでの間は先ほどウェイトレスが持って来てくれていたぬりえをして時間を潰した。
< 71 / 148 >

この作品をシェア

pagetop