育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
寝室を出て、そのままキッチンへと向かった晃洋さん。戸棚からグラスを2つ取り出すと、冷凍庫から氷を取り出してグラスに放り込んだ。
カラン、と軽快な音を立てたかと思えば、すぐにアイスコーヒーが注がれていく。

「ソファに座っていいよ」とコーヒーの入ったグラスを私に手渡すと、晃洋さんはソファに腰かけた。


「す、すみません。手伝わなくて……」

「いいって。それより、ここ」


自分が座っている横をポンポンと叩いて、隣に座ってと促してくれている。戸惑いつつもゆっくりと腰かけると、コーヒーを一口喉へと流し込んだ。

冷たい液体が、渇いた喉を流れていく。


「あ……晃洋さん、今日はありがとうございました」


今日のお礼を伝えそびれていたことを思い出して、慌てて感謝の言葉を口にした。それにはなにも応えずに、晃洋さんは私の肩をそっと抱き寄せた。

突然の出来事に驚いて振り返ると、そこにはあの優しい笑顔をで私を見ている晃洋さんがいた。
なにがなんだかわからないけれど、心臓がバクバクと暴れ始める。


「楽しかった?」

「はい……妃織も、楽しそうだったし」

「よかった。それより……やっと2人きりになれたな」


晃洋さんの言葉の意味がよくわからず、頭に「?」マークを浮かべていると、突然晃洋さんの顔が近くなった。きゅっと目を瞑ったと同時に、唇に生温かいものが触れた気がした。
< 77 / 148 >

この作品をシェア

pagetop