育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
咄嗟の判断で妃織を庇おうとして私が覆いかぶさった衝撃で、こんなことに……。でも、もしもあのとき妃織を守らなかったら、車とぶつかっていたかもしれない。

いや違う。元はと言えば、私があのとき妃織から目を離したのがいけなかった。
結局、私が……。


「手術が必要な骨折ですので、今日から入院になります」

「えっ、手術ですか?」

「はい。手術をしないと、骨が変形したまま骨癒合してしまいますので。今から必要な検査に回ってもらいますが、なにかこれまでに大きな病気はされたことありますか?」

「……いえ、特には」


それを聞いて「わかりました」と言った山内先生は、電子カルテを操作して必要な検査を追加していく。

そんな……。まさか手術になるなんて、思っていなかった。ギプスで固定して安静にしていれば、骨が出来てくるであろうと簡単に考えていたけれど、そうじゃなかった。

こんなまだ小さい身体で手術をしなければならないなんんて……やっぱり、あの時もっと違う方法で妃織を庇うべきだった。と、後悔してももう遅い。


「それじゃあ、看護師さんと一緒に検査に回ってもらうので。また検査の結果が揃ったら呼びますね」


山内先生がそう言うと、看護師さんが妃織の抱っこを変わってくれた。今から、手術前に必要な検査に回らなければいけないらしい。
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