育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
ソファーから立ち上がって晃洋さんと寝室へ向かうと、ベッドの上で妃織がぴょんぴょん飛び跳ねている。


「あ、ママ……と、せんせい?」

「おはよう妃織ちゃん。ベッド、気に入ったの?」

「うん! だってさ、ばぁばのおうちのはぺしゃんこだもん」

「ちょ、妃織!」


「あはは!」と、寝室に晃洋さんの笑い声が広がる。
まさか、こんなところで実家のことが暴露されてしまうなんて……。子どもというのは素直だけれど、余計なことまで話すので時に困ることもある。

けれどその純粋さに助けられることもあるから、憎めないんだよね。

そんなことを考えていると晃洋さんが妃織のことを抱きかかえ、とんでもないことを言い出した。


「妃織ちゃん。ママと一緒に、先生のお家に住んでみない?」

「え? せんせいの?」


きょとんとしている妃織に続いて、私の口が開いたまま塞がらなくなってしまった。

一緒に……?
一緒に住むって、それはつまり同棲ってことだよね!?

驚いて晃洋さんの方に目を向けると、嬉しそうににこにこ笑っている。涼しい顔をして「一緒に住んでみないか」と妃織に話し掛けている彼は、相変わらず余裕だ。


「このおふとんで、ねてもいいの?」

「もちろん。大歓迎だよ」
< 81 / 148 >

この作品をシェア

pagetop