育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
看護師さんに抱っこされている妃織は不安そうに私を見つめている。

そうりゃそうだよね。初めての病院、初めての検査、初めての手術……。
私ですら不安でいっぱいなのに、2歳になったばかりの小さな娘が平気でいられるわけがない。


「それにしても運がよかったですね。今日の救急当番が整形の先生で」


診察室を出て検査の場所を案内してくれている看護師さんが、笑顔で言う。

よかった? 全然よくないよ。
私は今、あのときもっと違う方法で……とか後悔の気持ちでいっぱいなのに『はい、救急の担当が整形外科医でよかったです』なんて、悠長なこと言っていられない。

私とあまり年齢差がなさそうな若い看護師に少し不信感を抱きながら、検査に回った。
まだ2歳児ということもあり、今日済ませた検査は採血と胸のレントゲンのみ。採血結果が出るまでの1時間、待合で絵本を読んだり手遊びをして過ごす。

しばらくすると「川崎さん」と診察室から先ほどの看護師に名前を呼ばれ、妃織を抱きかかえて診察室へ入った。
山内先生と向かい合うように座って、話を聞く。


「採血も胸のレントゲンも異常ありません。このあと手術の予定を決めていきますので、また明日改めて整形外来を受診してもらえますか?」

「はい……わかりました。入院は、長くなりますか?」
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