育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
唇を尖らせて拗ねる妃織。
でも、妃織の気持ちがわからなくはない。

ここ最近になって、晃洋さんの仕事量が多くなった。というのも、研修医の指導が増えたかららしい。

ただでさえ忙しいのに、それに加えて研修医の指導ともなると、家に帰って来るのが遅くなるのも納得だ。
晃洋さん自身も妃織に会えないことは寂しいようで、寝室に行っては妃織の寝顔を見ている。


「妃織、寂しい?」

「さみしいー。ママはへいきなの?」

「うーん……寂しいよ。でも、お仕事だもん、仕方ないよ」


妃織の頭を優しく撫でながら、私自身も寂しい思いをしていることを口にする。それと同時に『仕事だから』と自分に言い聞かせた。

同棲して、晃洋さんがどのくらい忙しいのかがよくわかった。
寂しいのは本当。でも、患者さんを救う仕事だから仕方がないのだ。


「妃織、お風呂入ろうか。そのうちに、先生帰って来るかもしれないよ?」

「うん、わかった!」


食事を済ませてから寂しさを紛らわすかのように、2人でお風呂を済ませる。
しばらくは一緒に遊んでいたけれど、時計の針が21時前を差したところで妃織の充電が切れてしまい、抱っこしながら寝室へ向かった。

妃織が眠ってしばらくすると、玄関で物音がする。
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