束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 身支度を整えてからキッチンを覗いてみれば、洋輔が朝食の準備をしている最中だった。

「もうちょっとでできるよ。座って待ってて」
「うん」

 洋輔が手際よく準備を進めていく。

 テーブルの上には目玉焼きにハムにサラダの乗った皿とほかほかご飯。それに昨日彩子が作っていたスープも並べられた。

「お待たせ。食べようか。いただきます」
「ありがとう。いただきます」

 シンプルなメニューだがどれもおいしかった。

 身体だけじゃなくて、心までぽかぽかと温かくなる。二人は自然と微笑みあっていた。


 甘やかすと言った洋輔の言葉は本当だったらしく、食事の後片づけも彼が一人でやってしまった。

 彩子は大人しくソファーに座って待っていたが、時折洋輔が彩子を見ては微笑むので彩子は気恥ずかしくてたまらなかった。
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