束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 翌朝、小谷の話を引きずっていたのだろう。いつもと様子の違う彩子に洋輔は気づいたようだ。

『彩子、ちょっと元気ない?』
『ううん、大丈夫だよ』
『調子よくないなら、無理しないで休んで?』
『大丈夫……』

 彩子は洋輔との時間を失くしたくなかった。

『わかった。でも本当にだめなときは言ってね』
『うん』

 洋輔は心配してくれたがそのまま会話を続けた。

 いつも通りの会話に彩子は徐々に気持ちを落ち着けていった。

『そろそろ時間かな?』
『うん』
『じゃあ、今日はあんまり無理はしないで。気をつけてね』
『うん、ありがとう。じゃあ、またね』
『彩子……』
『ん?』



 洋輔は下を向いて、少しだけ黙り込んだかと思えば、とても小さな声でその言葉を口にした。



『……好きだよ……じゃあ、またね』
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