束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】

6. 伝えられない想い

 彩子が好きだと強く自覚すれば、もう彼女を愛さずにはいられなかった。とにかくそばにいて、構いたくてしかたなかった。

 あまり自分からは甘えてこない彩子だから、彩子のかわいい表情を引きだしたくて、洋輔からベタベタに甘やかしてやりたくなった。


 そうして彩子を愛していけば、彩子からも同じ想いを返してほしくなった。

 彩子に嫌われていないのはわかる。心を許してくれているとも思う。

 だが今の洋輔の想いと彩子のそれが同じかというとそうではないだろう。

 洋輔はもうどうしようもないほどに彩子のことを好きになってしまったが、彩子はただそばにいるのにちょうどいい相手として洋輔を選んだにすぎない。洋輔がその想いを漏らせば彩子は離れていくかもしれない。

 そう思うと洋輔は、彩子に自分の想いを告げることはできなかった。

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