束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
数秒の沈黙が流れる。
いたたまれなくてもう一度お茶を口にすれば、それを飲み下す音がやけに響いた。
「折戸酔ってる?」
「さすがに酔ってはないかな」
「そう……」
「うん」
「冗談?」
「冗談がいい?」
「いや……でも……」
戸惑う洋輔を見ていれば、彩子は次第に冷静さを取り戻した。洋輔は戸惑ってはいるが嫌がってはいない。そのことに安堵する。もう後戻りはできない。彩子はこのまま攻めてしまおうと思った。
「だって最近暇なんだもん。もっと松藤と遊びたい」
「え、何その理由。それなら友達でいいんじゃない?」
「友達兼恋人でいいんじゃない?」
「いや……俺、折戸のこと友達として大事に思ってるんだけど」
その言葉に彩子は歓喜した。そして、やはりこの方向で間違っていなかったと思った。
友人としてはかなり好かれている自信があった。だからその延長でなら隣にいてくれるんじゃないかと思ったのだ。それに本気の恋ではないと思わせれば、洋輔は傷つかなくて済む。対等な関係でいるためには、彩子の本当の想いを伝えてはいけないのだ。
いたたまれなくてもう一度お茶を口にすれば、それを飲み下す音がやけに響いた。
「折戸酔ってる?」
「さすがに酔ってはないかな」
「そう……」
「うん」
「冗談?」
「冗談がいい?」
「いや……でも……」
戸惑う洋輔を見ていれば、彩子は次第に冷静さを取り戻した。洋輔は戸惑ってはいるが嫌がってはいない。そのことに安堵する。もう後戻りはできない。彩子はこのまま攻めてしまおうと思った。
「だって最近暇なんだもん。もっと松藤と遊びたい」
「え、何その理由。それなら友達でいいんじゃない?」
「友達兼恋人でいいんじゃない?」
「いや……俺、折戸のこと友達として大事に思ってるんだけど」
その言葉に彩子は歓喜した。そして、やはりこの方向で間違っていなかったと思った。
友人としてはかなり好かれている自信があった。だからその延長でなら隣にいてくれるんじゃないかと思ったのだ。それに本気の恋ではないと思わせれば、洋輔は傷つかなくて済む。対等な関係でいるためには、彩子の本当の想いを伝えてはいけないのだ。