束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
「ごめん、お待たせ」

 会議室に入れば、すでに坂本が待っていた。

「ううん、来てくれてありがとう」
「それで話って……」
「うん、彩子から全部聞いた」

 どこか険のある声音だった。

「うん……」
「全部だよ、全部」
「うん……?」

 付きあっていることを言っているのだと思ったが、どうもそれだけではないらしい。

「彩子、松藤くんは小谷さんのことが好きだって言ってた」
「え……」

 洋輔はさーっと血の気が引いていくのがわかった。
< 193 / 273 >

この作品をシェア

pagetop