束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 非常階段に出てみれば、彩子の姿はもうなかった。上にいったのか下にいったのかわからない。だが、上に行くとは考えにくいから、とりあえずは下を探すことにした。


 急いで駆け下りるが彩子の姿は見当たらない。一階まで下りてみたものの見つけられなかった。

 ならば、上を探すかと考えて、あることに気づいた。彩子はこういうとき仕事を放りだしたりしないと。

 本来の目的地に向かったのかもしれない。倉庫は二階だ。

 洋輔は下りたばかりの階段を駆け上って倉庫へ向かった。




「彩子っ!」

 やはり彩子は倉庫にいた。

 棚に寄りかかり、目をつむった状態で床に座り込んでいる。その姿に洋輔は思わず叫んでいた。
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