束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 しばらくそうしていると彩子が身じろぎをして、そっとその目を開いた。

 何度か瞬きをしたあとに洋輔に視線を合わせると彩子はふわりと微笑んだ。

「ごめん、起こしちゃった?」
「ううん、大丈夫」
「どう? 具合は」
「うん、落ち着いたよ。しっかり寝たから」
「うん、ならよかった。ご飯は食べた?」
「軽く食べた」
「うん、わかった。何かいるものはある?」
「ううん、大丈夫」
「じゃあ、寝てて?」
「うーん、でも目覚めたから、いったん起きようかな。洋輔はご飯は?」

 ここで洋輔のことを気にするのが彩子らしい。

「まだ食べてないけど、お弁当買ってきたから、それ食べるよ。他にもゼリーとかいろいろ買ってあるから、食べられるものあったら彩子も食べて?」
「ふふっ、うん。ありがとう」

< 203 / 273 >

この作品をシェア

pagetop