束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
第九章 束の間を超えて

1. 両想いの朝

 目が覚めると、目の前に洋輔がいた。彩子を見て微笑んでいる。

「おはよう、彩子」
「おはよう」

 そっと頭を撫でられる。それがとても心地いい。

「彩子、好きだよ」

 洋輔はとても柔らかく甘い顔をしていた。今の言葉が本当なんだとでも言うように。

 彩子は、それをもう素直に受け取ってもいいのだと思うと胸がいっぱいになった。喜びが身体いっぱいに広がる。

「私も、好き」
「うん」

 額にそっと口づけが降ってきた。

 離れると洋輔はまた微笑んで彩子を見つめてくる。それが嬉しくて彩子も微笑み、見つめ返した。
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