束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
「よしっ。彩子、抱っこしてこう」
「へ?」
「冷やすもの一緒に取りにいこう。ね? はい、おいで?」

 洋輔は彩子から離れるとベッドの端に立ち、両手を広げて待っている。そこに抱きつけと言っているのだろう。

 その姿はバカップル甚だしいが、これは冷静になったら負けだと、彩子は開き直ることにした。今日くらいバカップルになったって許されるはずだ。

 思い切り洋輔に抱きついた。


「ははっ。これ彩子の重さを感じられていいな。癖になりそう。ちゃんと掴まっててね」

 洋輔は本当に彩子を抱っこしたまま歩いていき、保冷剤とタオルを持って寝室まで戻ってきた。

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