束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
「はい、これで目押さえて?」
「ありがとう」

 タオルで目を押さえていれば、ちゅっちゅっといろんなところへキスが降ってくる。

「ふふっ、洋輔、くすぐったい」
「んー? 大人しく受け入れて? 今俺は彩子を愛でてるんだから」

 容赦なくキスの雨が降ってくる。


「んっ」

 耳に音を立てて口づけられれば、思わず鼻から抜けるような声が漏れてしまった。

「彩子……その声はえっち」
「もう、洋輔っ!」

 目に当てていたタオルを外して、キッと睨んでみせた。

「ははっ。ごめんって。じゃあ、冷やしてる間、お話ししようか」
「……うん」

 またタオルを目に当てれば、洋輔が彩子の肩に手を回してそっと抱き寄せるようにするから、彩子は抵抗せずにそのまま洋輔の身体にもたれかかるようにした。
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