束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
2. 知りたかったこと
「俺が言いたかったことは昨日言ったから、今度は彩子の言いたいこととか訊きたいことを聞かせて?」
「訊きたいこと……」
「うん。何でもいいよ?」
急に言われると難しいものだ。あれこれと思い浮かべてみる。
そうすれば、ずっと心に引っかかっていたことが思いだされた。
「……じゃあ、出向のこと、直前まで教えてくれなかったのはなんで?」
彩子は直前まで話してくれなかったことがとてもショックだったのだ。もっと事前に話してくれていれば、彩子の心持ちは変わっていたはずだ。
「うん……それはこわかったからかな。彩子、前の恋人と遠距離が原因で別れたって言ってたでしょ? だからイギリスに行くって言ったら、別れを告げられるかもって思って言えなかった。ごめん」
「……そう、だったんだ」
まったく予想していなかった。彩子は別れる選択肢なんて持ち合わせていなかったのだから。
だが彩子も別れがこわくて想いを告げられなかったのだ。二人して随分と遠回りをしていたらしい。
「うん。早く言っておけばよかった。ごめん」
「ううん。もういいよ。わかったから」
「……うん」
「訊きたいこと……」
「うん。何でもいいよ?」
急に言われると難しいものだ。あれこれと思い浮かべてみる。
そうすれば、ずっと心に引っかかっていたことが思いだされた。
「……じゃあ、出向のこと、直前まで教えてくれなかったのはなんで?」
彩子は直前まで話してくれなかったことがとてもショックだったのだ。もっと事前に話してくれていれば、彩子の心持ちは変わっていたはずだ。
「うん……それはこわかったからかな。彩子、前の恋人と遠距離が原因で別れたって言ってたでしょ? だからイギリスに行くって言ったら、別れを告げられるかもって思って言えなかった。ごめん」
「……そう、だったんだ」
まったく予想していなかった。彩子は別れる選択肢なんて持ち合わせていなかったのだから。
だが彩子も別れがこわくて想いを告げられなかったのだ。二人して随分と遠回りをしていたらしい。
「うん。早く言っておけばよかった。ごめん」
「ううん。もういいよ。わかったから」
「……うん」