束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
「あと、もう一つ言わせてもらうなら、俺彩子がかわいいの身につけてるのもちょっと見てみたいんだよね。彩子がシンプルなデザイン好きなのは知ってるんだけど」
「そうなの?」

 洋輔にそういう好みがあるとは知らなかった。


 彩子はいつも自分の好みでシンプルなものばかり身につけている。

 もちろんおしゃれをすること自体は好きだし、お気に入りの服や小物だってある。

 だがそれはどれもきれいめな印象のものばかりで、フェミニンな雰囲気のものはあまり持っていない。アクセサリーもたまにつけることはあるが、どれも控えめなデザインで、何か一点だけを身につけることがほとんどだ。


「うん。彩子がポニーテールにして、かわいいシュシュつけてるの見るの好きだし。あとはネックレスとかイヤリングとかも本当は贈りたい。今度何かプレゼントしていい?」
「……うん、ありがとう」

 あまりにも好みから離れていると頻繁には使い難いが、それでもプレゼントされれば嬉しい。彼好みの自分を演出する日があったっていいだろう。

 それにアクセサリーを贈られるというのは、なんだか所有欲を主張されているようでドキドキする。

「よかった。贈ったらちゃんとつけてね?」
「うん」
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