束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
「はぁー、したい。したくなった」

 普段あまりそういうことを口にしない洋輔から言われれば、嫌でも鼓動が跳ねあがる。

「……こんなキスするからじゃん」
「ごめん……彩子、したい。してもいい?」

 至近距離で目を合わせたまま求められる。

「……今?」
「今」
「……ここで?」
「ここで」
「……でも……」

 今は昼間で随分と明るい。この状況でと考えるとやはり恥ずかしくてなかなか頷くことができない。


「カーテンは閉める」
「……」
「彩子」

 その声はひどく掠れていて、彩子の欲を掻き立てる。彩子もとうとう欲しくなって、承諾の返事をしてしまった。

「……わかった」
「ありがとう」
「……でも、それ片づけてから……」
「うん、わかった」

 テーブルの上がそのままになっている。いったんテーブルの上を片づけ、邪魔にならないようテーブルを端に寄せた。



「彩子、ちょっと待ってて。ゴムとタオル持ってくる」

 その生々しい発言に、彩子は強く羞恥心を煽られた。
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