束の間を超えて ～片想いする同僚兼友人に、片想いをした～ 【番外編追加済】

「あってます。俺が淋しい思いさせてたせいです」
「は！？　ちょっ、えっ」

　洋輔の言葉に彩子は慌てふためいた。交際宣言をしているも同然だ。

　今、会議室には部のメンバーが残っているというのに。


「ちゃんと大事にしてやれよ？」
「はい。彩子のことは一生大事にします」

　会社でとんでもない発言をする洋輔に彩子はかつてないほどに焦った。

「！？　ちょっ、松藤！　ここ会社っ！」

　思わず大きな声で洋輔をとがめてしまった。

「……ごめん……」


　会議室にどっと笑いが起こった。

「松藤尻に敷かれてるの？」
「そうかもしれません」

　また大きな笑いが生まれる。

　誰も二人が付きあっていることについて触れてこない。まるでそれが当然だとでもいうような雰囲気だ。