束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
「確かに彩子のそばにいるのが心地よくて、いつもそばに置きたがってたし、彩子が他の男と遊ぶのも嫌だって思ってた。でも、それは大事な友人だからだって思ってたんだけど、よく考えたら友人に向けるにしては、ちょっと重すぎる気持ちだね、これは……」

 にわかには信じられないが、洋輔は納得がいったという表情をしている。

「俺はすごく遠回りしてたってことだね……というか最低だ……そんな状態でいろんな人と付きあって……そんなの続くわけないよ……」

 彩子も当時の洋輔を思いだして胸が苦しくなった。

「はあ。なんかすごく腑に落ちた……確かにあのころの気持ちもまだ俺の中にある。大好きな友人に向けてると思ってた気持ち……あー、もう、やばい。彩子を好きな気持ちが溢れそう。胸が痛い。苦しいくらい好きだ」
「……洋輔」

 洋輔は今にも泣きだしそうな表情を浮かべている。


「彩子、ぎゅーってして?」

 彩子は望み通り、ぎゅーっと抱きしめてやった。

「……っくっ……うっ……彩子、ありがとう……ありがとう」

 洋輔が涙を流して泣くのを見るのは二度目だ。その姿に愛しさが募っていく。彩子はさらに強く洋輔を抱きしめた。


 それからの二人はこれまで以上に愛しあった。これ以上ないほどの幸せな時間を二人で重ねていった。
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