束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
「だからね。彩子」



 洋輔は一度席を立つとあるものを手に戻ってきた。






「俺と結婚してください」






 洋輔の手にはケースに差し込まれた指輪が乗っている。

 彩子はプロポーズされたのだ。


 彼は今、生涯の愛を彩子と誓おうとしているのだ。



 二人で過ごすうち、彩子だってそれを意識はしていた。


 だが、実際に言葉にされれば、言いようもない気持ちが沸き上がってくる。

 それが全身に広がり、ついには涙となって溢れだした。


「っ……ふっ……うっ……」
「彩子、返事を聞かせて?」


 喉が詰まって上手く声は出ないが、彩子はありったけの想いを込めて返事をした。


「っ……はいっ……よろしくっお願いしますっ」



 指輪をそっと薬指にはめ込まれ、そのまま強く抱きしめられた。





「彩子、大好き。ずっとずっと愛してる。俺と一生一緒にいてください」
「ふっうぅっ……はいっ……喜んでっ!」



~完~
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