束の間を超えて　～片想いする同僚兼友人に、片想いをした～　【番外編追加済】
番外編

『策士』　Side 彩子

番外編　『策士』　Side 彩子

―――

「彩子ー、そっちは終わった？」
「うーん、もうちょっと」

　シルバーウィークの連休中、二人は家の大掃除をして過ごしていた。


「そっか。こっちは終わったよ。なんか手伝う？」
「ううん、大丈夫」

　彩子は作業の手は止めずに洋輔へ返事した。

「さすがに暑いね。俺もう汗だく」
「今日よく晴れてるしね」

　彩子も汗をかいてはいるが、寒がりの彩子にとっては真冬に大掃除するよりもまだ暑いほうがマシだった。

「彩子、終わったらお風呂入ろっか」
「うーん、そうだねー」

　あちこち掃除したから自分の汚れも気になるし、彩子もそれには賛成だった。

「じゃあ、風呂沸かしてくる」
「ありがとう」

　それから十五分ほどで彩子の担当分の掃除も完了した。ピカピカになった家を見ると実に気持ちがいい。彩子はその顔に大満足の笑みを浮かべた。
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